観葉植物の病害虫について
ウンべラータ葉に付くハダニ
ハダニに侵食されたウンベラータの葉
ユッカの葉に付くハダニ
病害虫から大切な植物を守るには、第一に、体力のある健康な体作りをこころがけ、 病害虫が付かないように清潔に保つこと。そして、病害虫に侵された場合は早期発見による駆除が大切です。
【まずは予防から】
適切な時期に、適切な量の肥料を施すことと、できるだけ植物に適した環境に置いてやることが基本です。
水やりをする時のついででよいので、植物の上から全体に散水して、ほこりやちりを奇麗に洗い流す。この時、葉裏も忘れずに散水して洗い流す。
また、鉢土の表面も以外に汚れていますので、洗い流したり、ゴミを取り除くようにする。
そして、常日頃から植物を眺めて、異常がないか、小さな虫が付いていないか観察します。早期発見で2~3匹ほどの害虫くらい、 その場で取り除いてしまえばOKです。
【まずは農薬を使わない方法で】
・アブラムシやカイガラムシなどは、歯ブラシなどを使ってこすり落としてしまいます。
枝はの付け根などの隙間にいるものは楊枝などを使うと落とすことができます。
また、ノズルを調節して水を強く噴射して、いっきに吹き飛ばしてしまうのも有効です。
・少し大きめの毛虫などは割り箸やピンセットなどを使ってつまみ取ります。
・鉢土に潜っている害虫の場合は、大きなゴミバケツなどを利用して、鉢植え全体を数時間水の中に付けてしまいます。
こうすることによって、土の中に潜む害虫も窒息死させることができます。
・特に病気の場合は、病気の症状の出ている枝葉を少し広めに余裕をもって切り取ってしまいます。
こうすることにより、病気がそれ以上広がるのを防ぐことができます。なお、この時使った、ナイフやハサミは必ず消毒することと、 切り取った枝葉も放置せずに処分することが重要です。(ナイフやハサミをそのまま使いまわすと、それこそ、病原菌をまき散らしているようなものですし、 病原菌の付いた枝葉を放置しておけば、そこから周囲の植物へ広がってしまいます)
【農薬を使う】
大量に発生してしまい、手に負えなくなったら農薬に頼ることになります。
植物用の農薬は、使用量や使い方を間違えなければ、人畜無害ではありますが、毒薬には違いないので取り扱い注意です。
まずは、園芸用(家庭用)の殺虫剤の使用をお勧めします。効きは弱いですが、取り扱いが楽で、比較的安全に使用できます。
それでは効かない、もしくは、定期的に発生してしまうときは
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生産者も使用する、業務用の農薬を使用します。正確に使用すれば、劇的に効きます。
*農薬を使用するときは、手袋、マスクを使用し、できれば長袖の服を着てください。
*風の強い日は避けてください。農薬がまき散らしてしまうので危険です。
一口に農薬といっても、さまざまな種類と商品がありますので、目的の病害虫に合った薬品を選び、処方箋通りの希釈で必要な量を作り、 その場で使い切ります。
*必ず、処方箋通りの希釈にして下さい。よく効くようにと、濃いめにしたくなりがちですが、薬害で植物を傷めます。かといって、薄いと効きません。
農薬の希釈が濃いと必ず枯れます。
ちなみに、注意しなければいけないのは希釈の割合で、正しい希釈で調合してたっぷりと散布して下さい。害虫は、葉の裏など、目につかない場所に隠れています。
濃いめに調合したから、量を控えめに使用するという使い方は間違っています。
*特に夏季には、気温の高い時の散布は避けて下さい。薬害で植物を傷めます。朝方の涼しい時に散布して、気温が上がる前に乾くようにして下さい。
*余分に作っても、時とともに効力がなくなります。
*目的の病害虫に合った薬品を選ばないと、効果がありません。たとえば、カイガラムシには、通常の殺虫剤は効きませんので、 マシン油系の薬品を使います。
*薬剤は各メーカーからいろいろな商品が販売されていますが、当店で使用している主な薬剤は
・カイガラムシ→マシン油乳剤、カルボス、オリオン (オーガスタなど)
・アブラムシ→アグロスリン、ピラニカ (シェフレラなど)
・ハダニ→モベント (ドラセナなど)
・キノコバエ→トリガード、プレパゾン(パキラなど)
*店長の好みで選んでますので、これが一番効くというわけではありません
*薬剤を使用する場合は、「散布用ハンドスプレー・ゴム手袋・スポイト」なども必要になります。
農業資材と農薬の専門店
*一度の散布で、生き残った害虫は、その薬剤に耐性がついて、次第に薬剤が効かなくなります。本来、一回の薬剤散布で、全滅させるのが基本ですが、念のため、2~3種類の薬剤を交互に使うと効果的です。
*毛虫や小バエなどには、家庭用の殺虫剤スプレーも効きますが、原則は、植物にかかると有害なので使用は避けてください。家庭用の殺虫剤で使用される油は純度が低いため、これが植物に悪影響を及ぼします。使用する場合は、植物の葉や幹に殺虫剤の油がかからないようにして下さい。
*農薬の原液は毒薬です。小さい子供の手に届く場所には置かない等、保管には最善の注意を払ってください。
*農薬の使用においては、これにより起こりうる損害については一切保証できかねますので、ご自身の責任において正しくお使いください。
【それでもダメなら】
上記の方法でも病害虫を駆除できない場合は、残念ですが、周りの植物に広がる前に処分します。
できれば焼却処分がベストです。